Photo&Text:本誌・藤原浩 取材協力/トヨタ自動車(株)
新時代を切り拓く
水素エンジンカート&カーボンニュートラル燃料カート
その先に見据える未来とは!?
脱炭素への取り組みとして、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池、BEV(Battery Electric Vehicle)等々、あらゆる手法を提案しているトヨタ。
モータースポーツの世界でも、スーパー耐久に水素エンジンやカーボンニュートラル(CN)燃料を使用するマシンを導入、レースに参戦しながら開発を進めてきた。
その技術を、もっと多くの人の目に触れ、直接体感してもらえるようにと着目したのがレーシングカートで、カート用の水素エンジン、CN燃料仕様エンジンを開発。さらには搭載するフレームまでも自社製作とし、走行テストなどを行ってきた。
今回、取材したテストもその一環として行われたもの。現場には水素エンジンカート、CN燃料カートともに2台ずつが用意され、それぞれのテーマに沿って走行テストが行われた。
ドライビングを担当したのは、スーパーGTでも活躍する関口雄飛選手と、全日本チャンピオンの経験も持つ田中海輝氏の二人。関口選手が主にドライブし、その後で田中氏が確認等を行っていく、といった役割分担のようだ。
実際のマシンは、外装もオリジナルなものとしているため、見た目は通常のカートと大きく異なる印象を受けるのだが、近づいてみると「水素エンジンカート」や「CN燃焼カート」と身構えていたコチラが拍子抜けするほどオーソドックスな作りだ。
注目のエンジン系は、水素エンジンカートがオートバイ用の250ccエンジンで、CN燃料カートはMZ200をベースとしている。水素エンジンカート用エンジンがギアボックスを外してクランクを新造、さらには直噴インジェクションの装着など、水素に合わせた改良が施されている一方、CN燃料カートのMZ200はカーボンカバーが目新しいだけで、中身はほぼオリジナルのままだという。
さらに、自社製作のフレームにもトヨタの強い思いが込められており、興味深い話しを多く聞くことができた。
このテストの模様、それぞれのカートの詳細、トヨタが描く今後の活用方法など、気になる詳細については、6月10日発行の本誌ジャパンカートNo475号にて掲載するので、記事を楽しみに待っていてほしい。