第47回SLカートミーティング全国大会

■開催日:11月4〜5日 ■開催地:スポーツランドSUGO国際西コース ■主催:一般社団法人SLカートスポーツ機構(SLO) ■共催:菅生スポーツクラブ ■天候:4日・晴れ/5日・雨のち曇り Photo&Report:藤原浩(本誌)
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全国から156台が聖地SUGOへ集結!

約半世紀と国内カートレースでもっとも長い歴史を持つイベント「第47回SLカートミーティング全国大会」がSLカートミーティングの聖地、宮城県・スポーツランドSUGO国際西コースで、11月4〜5日の2日間、開催された。

今回は、カデット、TIAジュニア、SSジュニア、SSレジェンド、スーパーSS、SSの6クラスで156台がエントリーし、今季のSL日本一を競い合った。

11月のSUGOというと、毎回寒さに悩まされることが多かったが、今年は逆に、想定外の暑さに見舞われる土曜日から、天気予報どおりに天候が回復していかない日曜日と、2日間で全く異なるコンディションとなり、参加者を悩ませることとなった。

日曜日は、予報では朝には雨もやむということだったが、結局午前中は時折霧雨がコースを濡らし続け、路面はウェットコンディションのまま。そのため、午前中に決勝が行われたSSジュニア、SSレジェンドは全車がレインタイヤで出走。

さらに午後の決勝も、最初のカデットは全車レインタイヤ、次のSSディビジョン2から一部の選手がスリックを選び、TIAジュニアまでは混在、スーパーSSからようやく全車がスリックタイヤを装着しての出走となった。

YAMAHAカデットオープン
異次元の速さを見せた
松尾柊磨が優勝!


午後一番の決勝となったカデットオープン。路面は薄っすらと湿っている状況で、全車がレインタイヤを装着する。

レースはPPスタートの松尾柊磨が快走。スタートよく飛び出すと、あとは一人旅。ラップあたり、2番手を約1秒引き離すハイペースで周回を重ね、12周のレースで12秒差をつける圧勝劇。

今季でカデット卒業となる松尾が、最後にビッグタイトルを獲得、2位も単独走となった中野貴介、3位に新橋武が入った。

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▲今季でカデット卒業となる松尾が全国ナンバー1に!

Results
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●YAMAHAカデットオープン(25台)
Pos. No. Driver Team
1 18 松尾柊磨 brioly racing
2 20 中野貴介 LUCE motor sports
3 16 新橋 武 Sigma Racing
4 13 都出夏希 SPS川口
5 10 佐藤 駆 ガレージC
6 26 山崎永路 brioly racing
7 9 中井星那 FORZAレーシングカートサービス
8 23 北村 紳 KC NAGAHARA
9 3 阿部瑠緯 ミツサダPWG RACING
10 12 有坂瑠唯 brioly racing


YAMAHA SSレジェンドクラス
坂裕之、地獄から天国へ!!

50歳以上のベテランカーターが集うレジェンドクラス。土曜日に行われたタイムトライアルでは、優勝候補の一人、坂裕之がまさかの重量失格で予選は最後尾スタートへ。

しかし、予選ではファステストラップをマークしながら追い上げ、5位を獲得すると濡れた路面の決勝でも変わらぬ強さを見せ快走。

早々にトップを奪うと、終盤は周回遅れをうまくかわしながら、2番手の長内正人、守谷洋を引き離し優勝を飾った。


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▲予選最後尾スタートからの復活劇を見せた坂

Results
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●YAMAHA SSレジェンド(26台)
Pos. No. Driver Team
1 17 坂 裕之 TIGRE
2 15 長内正人 WELLSTONE KC
3 18 守谷 洋 Akigase Kart Club
4 21 小林 暁 WELLSTONE KC
5 16 菅野武久 Team Leyland te&sa
6 1 宮崎知巳 ハラダカートクラブ
7 25 伊勢屋貴史 Super Racing Junkie!あやし眼科
8 5 山口智昭 今井プレスPKD
9 19 大川 浩 ハラダカートクラブ
10 24 清水伸一 C.A.ヨシダ


YAMAHA TIAジュニアクラス
酒井龍太郎、
雪辱の優勝!


石野からの遠征組を中心に13台が集まったTIAジュニア。注目は、昨年の雪辱を期す酒井龍太郎。

決勝は多くがレインタイヤを選択する中、酒井はスリックを装着する。

スタートでは、ブレーキングで大きくリアを滑らせた酒井が後退。またコース後半部分にまだ濡れた路面もあり、なかなか順位を挽回できない。

それでも周回ごとにペースアップすると、終盤にはトップグループに追いつき、先頭に躍り出ると後は突き放すのみ。最後は10秒のリードを築いて雪辱の優勝を飾った。

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圧倒的な実力差を見せて日本一になった酒井

Results
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●YAMAHA TIAジュニア(13台)
Pos. No. Driver Team
1 2 酒井龍太郎 ミツサダPWG RACING
2 9 小山紬介 Super Racing Junkie!
3 10 村田鉄麿 Ash
4 5 近藤怜音 チームぶるーと
5 7 森 赴人 チームぶるーと
6 3 福田 隼 チームぶるーと
7 11 近藤海琉 チームぶるーと
8 8 小林蒼空 チームぶるーと
9 4 梅村悠斗 チームぶるーと
10 6 黒田弥晴 チームぶるーと


YAMAHA SSジュニアクラス
地元、木幡直生が独走V!

10台が参加したSSジュニア。決勝は日曜日の午前中だったため、完全にウェットコンディションで迎えることとなった。

レースはスタートを決めた地元の木幡直生が、大きくリードを広げる展開となる。2番手の渡邊偉颯も単独走。3番手争いは終盤まで接近戦が続く。

トップの木幡は、約5秒のリードを築き、WエントリーのSSジュニアへ向け弾みをつける優勝。2位に渡邊、3位にはポジションを挽回してきた常川将太郎が入り、表彰台を一角を獲得した。

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▲地元の利を活かした木幡が見事、勝利!

Results
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●YAMAHA SSジュニア(10台)
Pos. No. Driver Team
1 11 木幡直生 Super Racing Junkie!
2 5 渡邊偉颯 ガレージ茶畑
3 3 常川将太郎 Praga Japan with ぶるーと
4 7 小山紬介 Super Racing Junkie!
5 8 村田鉄麿 Ash
6 6 高橋 芽 KRS-DAI
7 2 中村祐隼 Akigase Kart Club
8 1 大野優輝 チームぶるーと
9 9 原 知滉 Ash
10 4 肥後孝太朗 ガレージC


YAMAHAスーパーSSクラス
坂、二兎を追って二兎を得る!

29台とあと少しでフルグリッドとなる大量エントリーだったスーパーSS。

土曜日のTTでは後藤聡がトップを獲得するが、日曜日は一転してウェット。ウォームアップ、予選と坂裕之がトップを獲得する。

決勝でも坂がトップ、その後方に後藤、SUGOのチャンピオン渡渡邉賢人、さらには西宮圭一が続く。

坂は単独で周回しそのままトップでチェッカー。「二兎を追って二兎を得る」とW優勝を果たした。終盤もつれた2番手争いは西宮が2位、3位は繰り上がりで高田亮となった。

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▲絶好調の坂がこのクラスも制する!
Results
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●YAMAHAスーパーSS(29台)
Pos. No. Driver Team
1 16 坂 裕之 TIGRE
2 21 西宮圭一 チームTKC
3 14 高田 亮 Akigase Kart Club
4 26 後藤 聡 スクーデリア山田
5 23 石井鉄也 WELLSTONE KC
6 12 渡邉賢人 Super Racing Junkie!
7 5 守谷 洋 Akigase Kart Club
8 28 勝股康太 WELLSTONE KC
9 3 山内勇人 チームTKC
10 1 安東健介 U1-WORKS


YAMAHA SS(53台)クラス
SUGOのリーダー大越武が独走V

今大会最多の53台が集まったSSクラス。僅かなミスで、有力選手であっても予選落ちを喫する厳しい戦いとなった。

決勝は、PPの大越武が好スタートでトップを維持したのに対し、アウト側スタートだった2ndの酒井龍太郎が後続に飲み込まれ、この時点でほぼ勝負はついた。

トップの大越は全く危なげなく独走。酒井が2番手にあがった時点ではすでに大差がつけられており、そのまま大越がトップチェッカー。SUGOチャンピオンの面目を保った。

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▲SUGOチャンピオン大越が日本一に!

Results

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●YAMAHA SS(53台)
Pos. No. Driver Team
1 32 大越 武 BEMAX RACING
2 13 酒井龍太郎 ミツサダPWG RACING
3 52 梶尾義朝 Ash
4 31 松井沙麗 BEMAX RACING
5 27 長井大和 Akigase Kart Club
6 21 岡田聖人 Tommy Sport Racing with 茂原TC
7 49 寺島知毅 松本レーシングwithERS
8 47 木幡直生 Super Racing Junkie!
9 4 中村ブンスーム BEMAX RACING
10 15 高橋侑司 teamX43


授賞式
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▲勢揃いした23年SLチャンピオンたち。左からSS大越武、カデット松尾柊磨、TIAジュニア酒井龍太郎、SSジュニア木幡直生、SSレジェンド&スーパーSS坂裕之

今年も様々な特別賞を用意!

各レースの熱戦が終了した後は、SLO3賞(ジェントルマン、ジュニア、レディス)とポイント集計をしてのクラブ賞の発表。

今回の最優秀ジェントルマン賞には最高齢74歳での参加&完走となったSSレジェンドの小田宗孝、最優秀ジュニアはカデットで圧倒的なスピードを見せつけた松尾柊磨、最優秀レディスはSSジュニアクラスで表彰台闘いを演じた松井沙麗が3年連続での獲得となった。

クラブ賞は、TIAジュニアクラスに大量エントリーしてポイントを獲得した愛知のチームぶるーとが、ハンデ係数なしでも最多ポイント獲得となるなど圧倒、歴代最多となる2年ぶり4回目のクラブ賞1位を稼得した。


なお、2024年のSL全国大会は11月16〜17日に栃木県・モビリティリゾートもてぎ北ショートコースで開催される。

クラブ賞&SLO3賞
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▲クラブ賞は愛知県のチームぶるーとが2年ぶり4回目の1位獲得

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▲SLO3賞はジェントルマン小田宗孝、ジュニア松尾柊磨、レディス松井沙麗が受賞

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