■SK1クラス
難しい路面コンディションをトップタイムで通過したYUUKAが決勝ポール獲得。開幕戦から土つかずの四連勝と、好調振りを維持するYUUKAが5つ目の勝利をロックオンしたようだ。一方で少し気になったのは保立翔。表彰台の常連メンバーとなる選手だが予選6番手とタイムが奮わない。話しを聞けばレインタイヤをチョイスしたことが裏目に出てしまったと言う単純な理由だった。
さて決勝スタート。まずは順当にYUUKAがホールショットを獲得し、その背後にピタリとつけていくのがゼンタイシイ。常にあと一歩までYUUKAに迫るのだが、最後は逃げ切られてしまう展開が続いているだけに何とか一矢報いたいところだろう。
ところがSK2クラスのマシンが1コーナーで接触、コース上に止まってしまうアクシデント発生。すぐさまSCが導入され、レースは何とかリスタートが切られると思われたのだがトラブルはこれだけに収まらかった。SCボードに気付かなかったマシンがホームストレート上で先行するマシンと接触し、その弾みで大きく蛇行しつつ複数のマシンを巻き込む形で止まってしまったのだ。
さすがにこの状況は危険過ぎるため、即座に赤旗でレースは中断。度重なるアクシデントにオフィシャルも一時、騒然となったが、すぐさま停車中のマシンを移動し、僅かな時間でリスタートが切られたあたりに富士オフィシャルのレベルの高さが垣間見られた。
周回数は7周から4周へと減算されてレースは仕切り直しとなる。トップ争いはYUUKAとゼンタの一騎打ちになっていき、YUUKAのスリップにつけたゼンタは勝負所で一気にまくりにいこうとしたのだが痛恨のシフトミスを犯してしまった。これが致命的でYUUKAは逃げ切って破竹の5連勝目。ゼンタは悔しい2位入賞となり3位は予選から大きくリカバリーした保立が入った。
■SK2クラス
SK2クラスは岩崎浩二が連勝街道を突き進んでいた。予選も好調でトップタイムを刻むとPPを獲得。しかし、オープニングラップの1コーナーでクラッシュに巻き込まれてしまうも、なんとかリカバリーした先には2台のマシンが絡む状況が。これもスルーしてトップに立った上杉諒を追いに入ったところで赤旗中断となる。
仕切り直しの決勝レースでは上杉と岩崎のマッチレースへ。富士での勝ち確パターン、その王道といえば最終コーナーからホームストレートにかけてのスリップを使った逆転劇だろう。ここはドライバー同士の駆け引き、つば競り合いが見物となるポイントだ。
最終ラップに突入したとき、岩崎は一瞬、迷ったというが結果的には上杉の前を走る状況となっていた。一方で後ろを走る上杉だが、じつはこの時に最終ラップという意識はなかったという。勝負を賭けるという意味はなく、普通にスリップを抜けて岩崎をかわしたところでチェッカーが振られたわけだ。その差はわずかコンマ02秒。まさにハナ差での勝利だった。上杉は昨年のシリーズ中に負ったケガから長らくレースを遠ざかっていたので久しぶりに嬉しい勝利となった。
次回、第6戦は7月27日の土曜日に筑波サーキットで開催される。今回のレースのリザルトはスーパーカート公式ホームページから
Pick up PHOTO
▲SK1でトップ争い中のYUUKAとゼンタ。最後はYUUKAが逃げ切って今季、負け知らずの5連勝目を達成
▲第4戦から復帰した上杉。ブランク明けを感じさせない走りで復帰後、初勝利を手にした
▲今回は時間が押したので残念ながら表彰式は割愛。代わりにパドックでチームメイトと記念撮影の上杉
▲1コーナーでクラッシュに巻き込まれた#79岩崎
▲復帰した岩崎の前には2台のマシンが大きく絡む状況が…
▲ホームストレート上で起こったクラッシュには多くのオフィシャルが駆けつけていく。今回、ハプニングが連続したもののドライバーに大事が無かったのは幸いだった