5月18日に全日本カート選手権神戸大会を開催した神戸スポーツサーキットでは、それに先立ちコース全域、各ポストにデジタルフラッグを設置し、全日本でも運用した。全日本選手権でのデジタルフラッグ運用は、昨年のOK部門瑞浪大会に続き2例目となる。
今回神戸SCに導入されたのは、計測システムでおなじみのMYLAPS製のシステム。各ポストに配置されたデジタルフラッグは無線通信ではなく、あえて有線で繋ぎコントロールされている。これは、無線通信が不安定になることも想定しての処置だ。
今回は、まずフラッグの導入のみだったが、MYLAPSのレースコントロール・ソリューションは、デジタルフラッグだけではなく、それらと連動させることでより大きな効果を得られるものが揃っている。
例えば、 一時期テスト的に瑞浪で導入されたことがあるGPSによるトラッキングを使えば、走行車両にコーション情報などを適時送ることも可能となる。またF1中継にあるようなアクセル開度などの車両データを画面上に表示させるライブデータ、監視カメラとシンクロさせることで、レースコントロールをレベルアップさせることができるアドバンスド・トラックマネジメントなど、デジタルフラッグのマーシャリングと合わせた4本柱で構成されている。
フラッグの制御は、専用コントローラーではなく、PCに専用ソフトをインストールすることで、PCでの操作を可能としている。この点は、計時システムと同じ感覚だ。
今回、土曜日は雨&霧、日曜日は晴れと異なるコンディション下で運用されたが、輝度も高く視認性も良い印象。実際のレース時は、フラッグも併用するようにしていたが、慣れてくればデジタルフラッグのみでの運用になると思われる。また、現在はコントロールタワーでの集中コントロールだが、各ポストでのリモコンでの操作も可能なシステムで、専用アプリを導入すればスマホでの操作も可能となるという。
デジタルフラッグを導入することで、限られたオフィシャル人員を例えばレスキューに派遣したりなど、より実践的な運用が可能となるなどメリットは多い。また、JAFからも4輪レースにおける運用ガイドラインが出されるなど、デジタルフラッグの運用が、まずはフルスケールサーキット、いずれはカートコースへも進められていくことだろう。