Photo&Text:本誌・藤原浩
FIAが多くの国、地域から代表選手を募り、シャシー、タイヤをワンメイクで供給。会場では座学も行うなど、育成に力を入れたシリーズとして立ち上げたAcademy Trophy。
今季もジュニア、シニアの両部門が開催され、日本からもジュニアに新橋武、シニアには元田心絆が代表選手として参戦している。5月にそれぞれの開幕ラウンドを終えた二人が、GPR出場で鈴鹿に戻ってきた折に話を聞いた。
Senior部門
元田心絆
■一昨年、ジュニアで出場し今回は2年ぶりのアカデミーでシニアクラスに参戦です。そもそも、アカデミーに参戦しようという動機、きっかけは何があるのですか。
元田:バトルとか、海外がどうやっているのかをちゃんと経験できるし、見られる。取り組み方も分かるので出ようと思いました。
■一昨年ジュニア、昨年はARRIVE&DRIVEのワールドカップ、そしてシニアのアカデミーと出場し、FIAからも注目はされていたようです。昨年は佐藤佑月樹選手がチャンピオンを獲得していますが、実際に出場してみてジュニアとシニアのレベルの違いなどは感じましたか。
元田:シニアはレベルが高いですね。
■シニアはOK-Nとなっています。日本ではOKに乗っていますが、パワー感の違いなどはどうですか。
元田:全然違いますけどOK-Nは扱いやすいです。
■座学ではどんなことを教わるのですか。
元田:いろいろありますが、走り方からフォーミュラ向けのトレーニングまで揃っていました。
■今回は、日本からメカニックも帯同していました。基本的は同じ体制で参戦ですか。
元田:スウェーデンがメカニックの方がいけないので、海外の方にお願いするのかなと思います。
■海外のレースも多く出ていますが、海外ドライバーとのコミュニケーションはいかがですか。
元田:ほぼみんなと友達になりました。
■レースは、TTで少し遅れましたが、予選ではトップチェッカーもあり、戦える手ごたえは掴んでいたんですか。
元田:はい。レースに強くなったのはアカデミーのおかげです。
■ワンメイクでのデリバリーで性能差もないと、ウデで勝負ができる。さて、決勝です。
元田:思い出したくないですね(笑)
■戦っての結果ですから。シリーズへの手ごたえも掴めたのではないですか。
元田:最後はリード弁が割れてしまって…。エンジントラブルで終わってしまいました。
■開幕戦を終えて、シリーズの目標はどのあたりに置いていますか。
元田:それはやっぱりチャンピオンです。
■去年は佐藤選手がチャンピオンととりシュートアウトを獲り、FIA-F4へと進みました。同じ道をたどりたい感じですか?
元田:ヤマハのチームなので、その絡みもあるのですが、僕としてはヨーロッパでもレースがしたいし、日本でもFIA-F4に乗りたいと思っています。
■今年、残り2戦、頑張ってください。
Junior部門
新橋武
■新橋選手は昨年出場を希望しながらかなわず、今年2年越しの念願が叶ったというところですが、そもそもアカデミー出場を考えたきっかけは何ですか
新橋:GPRでチャンピオンを獲得(2024年カデットクラス)したことが大きかったです。。
■これまでもWSKだったり海外のレースに出場していますが、あえてアカデミーを選んだ理由は何かありますか。
新橋:アカデミーを選んだのは、世界各国からひとりずつ代表選手が来て、完全イコールコンディションだということ。その点が他の海外のレースとは違うと思います。
■日本で乗っているX30JrやJrMAXとは、違いを感じますか。
新橋:今までWSKとかで経験はしてきたOKジュニアとかとは少し違う乗り味でした。
■自分としてはアジャストしやすい感じでしたか?
新橋:最初はキャブレターとかが調整できないもので感覚が違ったりもしたのですが、そこまでは苦戦しなかったです。
■アカデミーでは走行だけではなく座学などもありますが、レースウィークはどんなメニューがあったのですか。
新橋:レースウィークで走り始めてしまうと座学はなくて、始まる前日とかにレース前の食事やメンタル面、スポーツマンシップなどの講義がありました。
■アカデミーではチームテントではなく、共同テントになりますが、海外ドライバーとのコミュニケーションはどうでしたか?
新橋:海外のドライバーとのコミュニケーションは、あまりとりませんでした。レースに向き合っている時間が長くなって、なかなか話す時間が少なくなってしまって、あまり会話できませんでした。
■これまでのレースでは、あまり遭遇していない国や地域の選手もいて国際色豊かでしたけど、いままで経験してきた国際レースとパドックの雰囲気が違ったりはしたんですか?
新橋:テントが全部つながっているのもあって、周りの選手がレース前にどのように準備していくかも見られました。ヨーロッパの人や、レースに対しての向き合い方、メンタルの準備など違うところもありました。
■今回は日本からメカニックも帯同していましたが、今後もその体制で参戦していきますか。
新橋:今回は日本と同じで二人ついてもらい、楽しかったです。今年は、この体制で参戦します。
■実際に走り出して、木曜日が組別6番手くらい。QPで9位。だいぶいい手応えは掴めていたのですか。
新橋:いままでヨーロッパのレースでは毎回下の方で走っていたので、QPで初めてシングルに入ることができました。QPでは日本以上に待っている時間が長くて、ほとんどアタックできないのですが、それでもちゃんとタイムを出すことができて、日本のレースにも繋げられると思います。
■予選ヒートは一人3ヒート出走で、かなり目立った活躍をしていたようですが、レースが始まったところで戦える感触は掴めていましたか。
新橋:自分も走ったことがないコースだったので、スタートで前に出られたのは成長していた部分だと思います。
■決勝は表彰台をかけた順位争いをしていました。開幕戦を終えて、この大会を振り返ってどう感じてますか。
新橋:自分としては、海外レースで上位でフィニッシュできて良かったと思うのですが、少し躊躇したりした部分もあって、もし躊躇せずに抜いたりしていたら表彰台もあったのかなとは思います。
■この開幕戦を踏まえて、アカデミーでの目標となると?
新橋:手ごたえとしては練習を重ねていったら互角には戦えそうなので、次回のサルノやヴィトルボでは表彰台に立てるようにしたいです。
■ジュニアもチャンピオンを獲得すると年末のシュートアウトに参加できて、シュートアウトで成績を残すとシニアに上がるときの援助が得られる形になっています。そこを目指しますか。
新橋:FIAからのサポートも狙いたいですが、海外経験はめったにできないので、今年だけでも3大会参戦できるので、海外で学んだことを日本のレースにも繋げていきたいです。