SLサマーフェスティバル2024 SUGO

■開催日:8月24〜25日 ■開催地:スポーツランドSUGO国際西コース ■主催:菅生スポーツクラブ(SSC) ■後援:一般社団法人SLカートスポーツ機構(SLO) Photo&Report:藤原浩
Placeholder image

悩ましいタイヤ選択
勝敗の行方はいかに!? 

SLカーター夏の祭典、SLサマーフェスティバル2024が8月24〜25日にスポーツランドSUGO国際西コースで開催された。今回で3回目の開催となるサマーフェスティバル。地元勢を中心としながら、関東からの遠征もあり、にぎやかな大会となった。

今大会の開催クラスは、メインのヤマハSSを筆頭にカデットオープン、TIA/FDオープンとKTエンジンを使用するクラスが4クラス。土曜日には、レンタルカートからのステップアップにおすすめで、今季からSUGOのシリーズ戦でも再開されているTIA/MZレンタルクラスも行われた。

レースフォーマットは1日開催のTIA/MZレンタルはTT→予選×2→決勝。KTエンジン使用クラスはTT→上位によるスーパーポール→予選×3→決勝となり、それぞれにポイントが付与され、そのポイントにより次のヒートのスターティングスリッドを決めていく方式だ。

この週末は、もともと雨予報となっていたが、土曜日は走行スケジュール実施中に雨が降り出すことはなく、終日ドライコンディションとなった。ただし、スケジュール消化後の夕方には、集中豪雨があり8コーナーのイン側が水没するといったこともあった。その後天候は回復し、日曜も雨予報であるものの、雨は降ったり止んだり。お昼に強く降った以外は、それほどの勢いもなく路面をしっとりと湿らせる程度となり、タイヤ選択が悩ましい一日となった。

来年、開園50周年を迎えるSUGOでは、サマーフェスティバルもさらにパワーアップしての開催を予定している。SL夏のビッグイベントとして定着し、全国から多くの参加者が集まるように発展を期待したい。


レースレポート

YAMAHA SS
さすがの小林利徠斗
難しい路面も制し優勝!
 

16台を集めたメインのSSクラス。注目は、やはりSUGO育ちの小林利徠斗だ。

タイムトライアルでは、その小林がトップタイムをマーク。しかし、百分の8秒差で松尾柊磨が続く。 上位5台が進出するワンラップアタックのスーパーポール。須藤虹富、遠藤直人と44秒半ばのタイムで終えると、3番手で登場した高島恒太が大きく上回る44秒147をマークし、後続のプレッシャーをかける。次にアタックした松尾は、タイムを伸ばせず44秒423で暫定2位となり、最後のアタッカー小林が登場する。ウォームアップでタイヤを温めた小林は、渾身のアタックを見せ、自身のTTタイムを更に更新する44秒061をマーク。見事にトップタイムを獲得する。

あけて日曜日午前中に組まれた3回の予選ヒート。スリックタイヤで出走となったヒート1、レインタイヤとなったヒート2ともに小林がトップチェカーを獲得する。しかし、最後のヒート3を前に、路面状況も回復基調となり、スタート前にはライン上は薄っすらと乾き始めている状況。

これを見て動いたのが松尾らbrioly勢。チーム全員がスリックタイヤを選択する。一方、地元のSuper Racing Junkie!勢は全員がレインタイヤのまま出走する。

ところが、走り出してみるとスリックで十分なグリップを得られ、スリック勢のペースがいい。それでも意識的に湿った路面を選び、タイヤの摩耗を防ぎながらポジションを守っていく小林。だが、それも時間の問題で松尾、須藤らが次々と小林をパスし、このヒートは松尾を先頭に上位4台までをスリック勢が独占する。

お昼休み中に、この日一番の降雨があり、路面はウェットへと変貌するが、午後のスケジュールが始まることには雨もやみ、カデット、TIA/FDと進むごとに路面が回復していく。それでも日差しが弱く、湿度も高いためが路面の回復スピードは遅い。

TIA/FDのレースが終わり、路面の確認をするSSドライバーたち。一様に、判断が難しい表情をしており、実際グリッド上位でも小林、松尾、須藤はレインタイヤ、4番手スタートの高島はスリックタイヤと判断が分かれる。概ね、半数がスリックを選択した。

スタートしてみると、まだレイン勢に利があり、まずは松尾がオープニングラップをトップで帰ってくる。2番手につけた小林は、2周目に逆転。中盤過ぎには、再び雨が降り出したこともあり、スリック勢は後退。トップの小林は、終盤には松尾を突き放す速さで独走し、SUGO最強を証明する優勝を飾った。2位に松尾、3位に須藤が入った。 
 
Cadets Open
兼田麗生、完全優勝を飾る

6台エントリー中、一人が体調不良により欠場となり5台でのレースとなったカデットオープン。地元の兼田麗生に関東から遠征してきた植月宣成、速水陽向が挑む図式となった。

兼田はタイムトライアルでトップを奪うと、スーパーポールでもトップタイムをマーク。路面コンディションが異なる予選ヒートでも、毎ヒートトップで戻ってくる活躍を見せる。

PPから出走となった決勝では、スタートで植月の先行を許し追いかける展開。トップの植月も兼田を従えながら周回を重ねるが、やはりペースに勝る兼田がトップに戻り次第に引き離す展開となる。そのまま逃げ切った兼田が全セッショントップの完全優を達成。2位に植月、3位はカートキャリア初の表彰台と成る速水が獲得した。 

TIA/SUGO FDオープン
FDの神田和隆が総合V
TIAは飯島隆史が優勝!


混走となったTIA/FDオープン。TIAには東北学院大学の学生で今回がデビューレースとなる二人を含め3人、FDオープンもレースデビューを含めた4台が集まった。

このクラスはスーパーポールは行われず、TTトップのFDクラス神田和隆がまずは予選ヒート1のPPを獲得。その後も、神田は各ヒートをトップチェッカーで終え、予選総合でもトップを獲得する。一方、TIAクラスではベテランの飯島隆史がクラストップにつけ決勝へと駒を進めた。

決勝は、神田が好スタートを見せレースをリード。飯島も総合2番手を走りながら周回を重ねていく。レースは、そのまま逃げ切った神田が総合&クラス優勝を獲得。総合2位でTIAクラス優勝となった飯島は、自身曰く「24年9ヶ月ぶりに優勝」とのこと。

TIA/MZレンタル
鈴木智大が完全優勝!


スポーツカートパッケージとなるTIA/MZをオールレンタルで用意するTIA/MZレンタルクラス。SUGOでは、通常のシリーズ戦でもこのクラスを今季から再開させ、新たな需要の掘り起こしに取り組んでいる。すでに長く実施しているSL神戸シリーズでは多くの参加者を集め、このクラスを経てFDクラスオープンなどにステップアップしていく選手も多い。またSUGOはM4には多くの参加者が集まり、そういったレンタルカートで楽しむ層を取り込んでいくことも、今後期待される。

レースはTT、予選×2ヒート、決勝を土曜日に実施し、全ヒートがドライコンディションで行われた。レースは、鈴木智大が全セッショントップを記録する完全優勝を飾っている。 

なお、イベント全体の詳報については、ジャパンカート本誌No.476号(2024年9月発行予定)でも紹介するのでお楽しみに!!

Pick up PHOTO
Placeholder image

▲タイヤ選択に悩みながらも、最後は完勝した小林利徠斗

Placeholder image

▲全セッションでトップを獲得する完全優勝の兼田麗生

Placeholder image

▲総合&FDクラス優勝の神田和隆

Placeholder image

▲MZとのWエントリーだった飯島隆史がTIAクラス優勝

Placeholder image

▲頭一つ抜け出す速さを見せた鈴木智大が完全優勝

Placeholder image

▲土曜日には各クラスのポールポジションを表彰。左からカデット兼田麗生、TIA桐原巧成、神田和隆、SS小林利徠斗

Placeholder image

▲会場にはスーパーFJ、VITAといった車両も展示され多くの注目を集めた


Placeholder image
●YAMAHAカデットオープン(5台)
Pos. No. Driver Team
1 71 小林利徠斗 Super Racing Jiunkie!
2 92 松尾柊磨 brioly racing
3 22 須藤虹富 brioly racing
4 12 有坂瑠唯 brioly racing
5 63 芳野 翔 BEMAX RACING
6 33 三條太輔 Super Racing Jiunkie!TGU
7 13 細越一颯 Super Racing Jiunkie!
8 28 斉賀 航 Super Racing Jiunkie!
9 25 遠藤直人 Super Racing Jiunkie!TGU
10 27 高島恒太 チームエッフェガーラ

Placeholder image
●Cadets Open(7台)
Pos. No. Driver Team
1 78 兼田麗生 Super Racing Jiunkie!
2 93 植月宣成 brioly racing
3 22 速水陽向 BEMAX RACING
4 30 伊藤柊治 Super Racing Jiunkie!
5 77 田口大琥 Super Racing Jiunkie!

Placeholder imagePlaceholder image
●YAMAHA TIA/SUGO FD OPEN(7台)
Pos. No. Driver Team
1 50 神田和隆(FD) KRS-DAI&メイクセツビ
2 10 飯島隆史(TIA) Super Racing Jiunkie!
3 86 小松丈尋(FD) KRS-DAI
4 11 遠藤拓哉(FD) Super Racing Jiunkie!
5 55 星 隆弘(FD) -
6 56 江刺家光(TIA) Super Racing Jiunkie!TGU
7 5 桐原巧成(TIA) Super Racing Jiunkie!TGU

Placeholder image
●TIA/MZレンタル(4台)
Pos. No. Driver Team
1 1 鈴木智大 -
2 2 鈴木健太 -
3 3 嶺岸一真 Super Racing Jiunkie!
4 4 飯島隆史 Super Racing Jiunkie!


x image
facebook image
insta image