FIA KARTING WORLD CHAMPIONSHIP/WORLD CUP

■開催日:9月12〜15日 ■開催地:PF INTERNATIONAL(GB) ■天候:晴れ/雨 Photo: FIA KARTING Text:本誌・藤原浩
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雨のイギリスで劇的な幕切れ!
Ethan Jeff-Hall、Kenzo Craigieが世界チャンピオンへ 

カートレース最高峰のタイトル、FIAカート世界選手権が、9月12〜15日にイギリスのPFインターナショナルで開催された。

今回は世界選手権タイトルのかかるOK、OKジュニアに加え、新たにワールドカップが立ち上げられたOKNワールドカップも開催。日本からはOKクラスに松井沙麗、OKジュニアに遠藤新太、酒井龍太郎と3人が挑戦したが、惜しくも決勝進出はならなかった。

会場は金曜、土曜とドライコンディションだったものの、日曜は一転して雨が降り ヘビーレインのコンディション。これが、ドラマを生み出すこととなる。


レースレポート

OK
最終ラップの悲劇、歓喜
Ethan Jeff-Hallが劇的なチャンピオンへ 


最高峰OKクラスに集結したのは104人。ヨーロッパ選手権チャンピオンのJoe TurneyがQPトップタイムから予選全ヒート、さらにはスーパーヒートも制し、堂々の決勝PPを獲得する。2番手には予選2ヒート&スーパーヒートを制したEthan Jeff-Hallが続く。

決勝、スタートはTurneyが決めトップをキープ。後方では2番手が入れ替わり、Jeff-Hallが2番手に復帰した時にはTurneyが約2秒先行していた。 そこからジリジリと差を縮めていくJeff-Hall。しかし、濡れた路面はミスも誘いやすく、1秒差以内に近づいたと思えば、再び1.5秒ほどの差まで広がるなど一進一退を繰り替えす。

それでも終盤には再び差を縮め、最終ラップ突入時にはTurneyとJeff-Hallとの差は0.6秒となっていた。
とはいっても、ここまでのTurneyの走りから見て、逃げ切りは確実だと誰もが思っていたが、最終ラップの立体交差トンネル先の左コーナーで、まさかの事態が発生する。

わずかにラインを乱したTurneyが、そのままコースアウトすると、その脇をJeff-Hallが駆け抜ける。Turneyもそれほど大きなロスをしたわけではなくコースに復帰するが、その時点で万事休す。トップに立ったJeff-Hallは1秒以上先行し、成す術はなかった。

この週末を完全に支配していたTurneyが雨に足元をすくわれ、Jeff-Hallが奇跡の世界チャンピオン獲得。悲劇と歓喜が交錯する最終ラップとなった。

OKジュニア
終盤の大逆転
Kenzo Craigieが王座獲得!


OK同様に劇的な展開となったOKジュニア。

決勝PPはNiklas Schaufler。しかし決勝では3番手スタートだったNoah Baglinが好ダッシュを見せレースを引っ張っていく。

中盤過ぎから追い上げてきたのがKenzo Craigie。2番手に上がった時点では2秒以上のビハインドを背負っていたが、その差を終盤に一気に縮めると、NBaglinの背後の接近する。

ラスト2周となって始まった二人のトップ争いは、最終コーナーでの接触によりBaglinがコースアウトを喫しリタイア。

これでトップとなったCraigieがそのままチェッカーを受け優勝を飾った。  

OK-N
初開催のOK-N WORLDCUP
優勝はKyuho Lee 


今回併催されたOK-Nのワールドカップ。OK-N普及のために新設されたタイトルだ。

原則的に、自国のシリーズでOK-Nクラスのレースを行っている国と地域に出場枠が与えられるため、OK-Nを開催していない日本からは出場する者はいない。今回は25名がエントリーした。

レースはスタートからトップに立った韓国のKyuho Leeが5周終了で5秒のリードを築くワンサイドゲームとし、そのまま独走で優勝。記念すべき初代チャンピオンとなった。   

Pick up PHOTO
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▲劇的な逆転となったEthan Jeff-Hall(OK)

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▲あと1周まで支配していたJoe Turneyがまさかの2位                   (OK)

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▲Kenzo Craigieが逆転で王座獲得(OK-J)

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▲OK-N WORLDCUPで初代チャンピオンとなったKyuho Lee


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●OK
Pos. No. Driver Team
1 67 Ethan Jeff-Hall CRG
2 2 Joe Turney KR Motorsport Srl
3 68 Matthew Higgins Energy Corse Srl
4 10 Jimmy Helias VictoryLane
5 11 Dmitry Matveev KR Motorsport Srl
6 7 Fionn Mclaughlin VDK Racing
7 17 Zac Drummond Parolin Motorsport
8 105 Harley Keeble DPK Racing
9 66 Joseph Smith VictoryLane
10 43 Guillaume Bouzar VictoryLane
11 23 Miguel Costa Parolin Motorsport
12 46 Hugo Martí Marti, Juan Ignacio
13 4 Thibaut Ramaekers VDK Racing
14 18 Olin Gall CRG
15 98 Augustus Lawrence Lawrence, Augustus
DQ 79 松井沙麗 KR Motorsport Srl

●OK-J
Pos. No. Driver Team
1 219 Kenzo Craigie Prema Racing Srl
2 227 James Anagnostiadis Prema Racing Srl
3 211 Rocco Coronel VictoryLane
4 214 Kit Belofsky Fusion Motorsport
5 260 Zac Green Jamie Green Racing
6 237 Lev Krutoholov Energy Corse Srl
7 217 Scott Marsh Tony Kart Racing Team
8 210 Arjen Kraeling KR Motorsport Srl
9 229 Sebastian Minns Ricky Flynn Motorsport
10 232 Iskender Zulfikari Forza Racing
11 209 Ilie Crisan Tony Kart Racing Team
12 253 Jacob Ashcroft Energy Corse Srl
13 224 Devin Walz Forza Racing
14 277 Aston Sharp Mick Barrett Racing
15 234 Archie Lovatt Forza Racing
DQ 259 遠藤新太 Ward Racing
DQ 242 酒井龍太郎 CRG

●OK-N
Pos. No. Driver Team
1 422 Kyuho Lee Beyond Racing Team
2 408 Zsombor Kovacs KMS Europe Kft
3 401 Heitor Dall Agnol Farias Parolin Motorsport
4 412 Federico Rossi PRK ASD
5 427 Harrison Whitticombe Argenti Motorsport
6 421 Muhammad Wally Energy Corse Srl
7 407 Alan Truksa Hagemann Racing
8 414 Bati Ege Yildirim Modena Kart ASD
9 416 Gerardo Peralta VDK Racing
10 411 Gino Rocchio ASD Monster K Factory Team
11 410 Francesco Marenghi MLG Racing
12 404 Yan Liang Ward Racing
13 417 Mboara Razafindratsimba Razafindratsimba, Vincent
14 403 Enzo Prando Prando, Enzo
15 402 Lucas Moura De Castro Marra de Castro, Rodrigo


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