早い地域では2月に開幕を迎えるSLカートミーティング。開幕が近づいた今の時期だからこそ、もう一度確認しておきたいのが規則だ。規則は毎年何かしら改訂されていくもので、意外に気づかないままレースを迎えてしまうことも多い。規則を知らずに不利益を受けるのはドライバー自身となるため、開幕を前にもう一度おさらいしていきたい。
SLカートミーティングを統括する 一般社団法人SLカートスポーツ機構(SLO) では、昨年末に今季の規則案を公表している。そこには、前年度からの変更点がわかりやすく記されている。まずは、ここで変更点を確認しておくのがいいだろう。
まず競技規則で大きな変更となっているのが「スタート方式」だ。
従来の規則では「正規の隊列で(中略)イエローライン前において加速していないことを確認した時、スタート合図を送る」とされていたものが、今年度からはいわゆるGPR方式が採用され「イエローライン超えてポールポジションの選手が最初に加速したと判断された場合、スタートの合図を行う」と変更されている。これまでも、GPR方式で運用されてきたSLシリーズもあるだろうが、それが規則に反映された形だ。
この両者は、一見すると似ているように見えるが、実は旧規則の場合ポールとセカンドが「同時に」加速してもいいともとれる規則だった。それを新規則では「先に加速するのはポール」を明確化したのだ。また、厳密な解釈をすれば、信号消灯のタイミングも旧規則が「イエローライン前に〜」とされているのに対し、新規則は「イエローラインを超えて〜」とされていることにも留意したい。
この規則変更により、ポールのドライバーの有利性がさらに際立つこととなる。また、セカンドのドライバーはポールの動きに合わせなければならない。仮に加速のタイミングがずれセカンドが先に加速した状態から消灯した場合は、ミススタート旗での対応もしくはレース結果へのペナルティが考えられる。このペナルティは、いわゆる「防げるペナルティ」と言われるものだけに、セカンドのドライバーは逸る気持ちを鎮め、ポールの動きをよく見えるように注意してほしい。
技術規則では、昨年の全国大会時に適用されたクラッチボディの外形寸法規定が通常のシリーズでも適用されることとなった。こちらは、昨年の全国大会前で試験的に計測していたシリーズでも、規定に満たないケースは見受けられたので、開幕前に一度確認しておくことをオススメしたい。また、細かいところではサイドゼッケンの装着も義務化されている。さらに、全国大会適用としてフルカバータイプのチェーンガードしようが義務付けられている。
このように変更されているSL規則。細部では他にもいくつかの変更はあるので、開幕前に一読しておくようにしたい。