今季の全日本選手権EV部門への参加者を決めるドラフト会議へ向け、ドラフト候補となるドライバーたちによるオーディションが2月22〜23日の2日間にわたって行われた。
今季もチーム制を継続する全日本EV部門。シリーズの会場は東京お台場のシティサーキット東京ベイのみとなる。
まず応募者を書類選考にかけ、14名が書類選考を通過し今回のオーディションに臨んだ。参加メンバーを見ると、全日本OK経験者やRMCで活躍している選手らに加え、自転車ロードレースで世界最高峰レースのツール・ド・フランスに出場経験をもっていたり、インドアスカイダイビングでギネス記録を更新した経歴を持つなど、モータースポーツでは異色のキャリアを持つ選手らもおり、14歳から61歳まで年齢もキャリアも多種多様な選手たちが集まった。
2日間のオーディションは、開幕までに行われるドラフトへ向けたアピールのためのもので、各日とも7名が参加。車両は、それぞれの体格にあわせてポジション調整、ウェイト調整が行われ条件を均一化。走行はひとり15分1回のみとなり、その後は面接でのアピール時間が設けられた。
コースは、選手権用のコースではなく、通常のレンタル営業用のコースのため、単純に昨年のレースとのタイム比較はできないが、速いドライバーで25秒台前半のラップタイムを記録していた。
走行後の面接では、EV部門参加を目指す動機や将来の目標などが聞かれ、各チームオーナーへのアピール動画も収録。短い時間だったが、各選手も力を出し切ったことだろう。
今回、最も異色の経歴を持っていたのが最年長での挑戦となった今中大介。自転車ロードレースのプロレーサーとして活躍し、日本人選手として初めてツール・ド・フランスに出場するなど、輝かしい実績を持つ。
今回の挑戦について今中は 「モータースポーツを見て育っていて、同い年の片山右京さんと仲良くなって、まぁ右京さんは自転車に熱中して、全く話が逆になってしまったんですけど(笑)。その中で、自分も夢もあったしこのまま自転車で終わるのももったいないと思って、50歳前くらいからモータースポーツも始めたんです。それにはカートが一番いいだろうと。全日本に出るとういうことは、簡単に思いつかないけど、チャレンジはしてみたいとどこか思っていました。たまたまCCTBに来ることがあって、そこでEV部門の全日本がCCTBでやっていると聞いて興味がわきました。オーディションはダメ元で、本来若手のための選手権が前提だとは思ったのですが、60歳超えて挑戦できることができれば、もしチャンスがあれば思いっきり身体も鍛えて、開幕までにバッチリ仕上げていこうという気持ちです。自分がこうした挑戦をすることで、年配の方を勇気づけられればと思います」と語る。
今季の参戦ドライバーは、この後開幕までに行われるドラフトにより決定。5月下旬の開幕を迎えることとなる。