ROTAX MAX CHALLENGE鈴鹿シリーズの開幕ラウンド。今年から鈴鹿選手権から分離し、単独開始されることとなったRMC鈴鹿は、話題豊富な開幕ラウンドとなった。
まず鈴鹿選手権時と大きく異なっているのが開催クラスだ。鈴鹿選手権では他のクラスとの開催クラス数等もあり、マスターズ、ジュニア、シニアの3クラスのみの開催となったが、RMC鈴鹿シリーズではRMC対象クラスとなる5クラス全てを開催。マイクロやミニといったこれまで鈴鹿で開催されなかったクラスも行われることとなる。また、RMC対象クラスではないものの、エントリーの敷居が低く人気が高いLightsクラスも鈴鹿初登場となり、今回は6クラスで190台以上のエントリーを集めている。
主催の栄光がコースを借り切って運営するため、ライセンス要件が変更となったことから海外ドライバーが参戦しやすくなり、エントリー総数の1割以上となる20人超が、主に中国/韓国といったアジア圏からのエントリーとなった。これは、ライセンス要件の が緩和が後押しした面と、年初のアジア大会で関口瞬と寺島知毅が優勝し、日本のRMCのレベルにアジア勢が注目を高めたことも影響しているだろう。栄光でも、海外からの参戦問い合わせ等には積極的に対応し、日本でのチームを斡旋するといった対応で、より海外からのエントリーを受け入れやすい環境を整えている。このあたりは、長年瑞浪で海外勢を受け入れてきたノウハウが活かされているところだ。
レースの運営も、瑞浪のオフィシャルチームがそのままスライド。デジタルフラッグなどの機材も持ち込み、瑞浪と同じシステムでの運営とされている。
昨年開催され人気だったEXGEL MAX CHAMPは、今年は全クラスを鈴鹿シリーズで開催。アメリカとの交換留学制度を維持し、日米の成績優秀なドライバーたちに交換留学の機会を与える。昨年、来日を果たしたジャクソン・ポーターは鈴鹿でのレース参戦の継続を熱望し、今季はシリーズでの参戦も視野に今大会に参加している。
体制強化された面では、笹原右京アンバサダーを筆頭に、今季はドライビングアドバイザーとして佐藤蓮、野村勇斗の2名が大会期間中に様々なアドバイスができる環境が整えられた。これは、参加選手に是非活用してほしい制度だ。さらに今大会では佐藤琢磨ホンダレーシングスクール・プリンシパルも視察に訪れ、決勝前のグリッドでは選手を激励する姿も見られた。こうした注目は、選手のモチベーションともなるだろう。もちろん、勝田貴元とコラボレーションしたラリージャパン招待も予定され、世界の現場を生で体験できる機会が用意されている。
もう一つ、鈴鹿シリーズで新しいのが、Lightsに設けられたKYOJOクラスだ。鈴鹿とAPGのシリーズにおいて設定されるKYOJOクラスは、各シリーズで得た有効ポイントとLights日本一決定戦でのポイントを合算した最上位者を、KYOJO CUPトライアウトへ 無償招待するというもの。カートレースからKYOJO CUPへの道筋を作るもので、これから参加者増が期待されている。
このように、数々の話題を振りまいたRMC鈴鹿。多くの参加者が集まったことで、まず皮切りとしては成功と言え、シーズンが進むにつれ更に発展していくことが期待される。