3月9日開幕したSL神戸シリーズで、新たな試みが始められた。
SL神戸シリーズでは、近隣に店舗を構えるTIGREが主催で、以前からTIA/MZパッケージのレンタルマシンを使用したクラスを設定。これまで、レンタルカートよりもちょっと刺激がほしいといった層を取り込み、盛り上がりを見せてきた。
その一方、レーシングの入門&レジャークラスとして、早くからFDタイヤ+オープンシャシーのFDオープンクラスをスタートさせ、今ではFDオープンとFD版スーパーSSクラスともいえるスーパーFDが多くのエントリーを集め、神戸の人気クラスとなっている。
今回の新企画は、TIA/MZ主催するTIGREが用意するもので、TIA/MZ優勝者にFDクラスへの参戦機会を1戦分与えるというもの。マシンはもちろん、メカニックもTIGREからつけられるという厚遇だ。 もともと、TIGREがたからづかカートフィールド近郊に店舗を構えていた頃、レンタルカートイベントとして始めたファンキーナイトGPで楽しむ人達を、その上位カテゴリーに引き上げるために始めたというTIA/MZクラス。神戸に移ってからもレンタルカーターのステップアップの受け皿として活用されてきた。
その中から、コロナ禍もあり他地方で行われるレンタルカートイベントへの遠征が難しくなり、その遠征費等で浮いた予算を使えば、地元神戸のシリーズ戦に出られるのでは、とレーシングへと転向する人が現れた。その代表例がFDオープンに参加している原貞夫で、昨年はついにFDチャンピオンも獲得したほどだ。こうした活躍もあり、レーシングに興味を持つ人も増えていることも受け、レーシング経験の一つのきっかけになれば、と始められたのが今回の企画となる。
神戸のFD/スーパーFDは比較的年配の方が楽しむクラスとなっており、TIA/MZの参加層とも重なる部分がある。こうした機会をきっかけに、レーシングへと転向する人が現れてくことが期待されているところだ。
以前から、レンタルで楽しんでいる人々を、いかにレーシングへと引き込んでいくのかということが、全国的な課題となっているが、それに対する一つの提案となるのが、今回の企画とも言える。今後、この動きがどのような効果を生み出していくのか注視していきたい。