Photo&Text:本誌・藤原浩 取材協力/㈱菅生カート事業部
TGR-DCレーシングスクールと同じ
富士ショートコースでトレーニングを実施
ヤマハがトヨタ(TGR-DC)と協力してすすめるスカラシッププログラム「Formula Blue」は、その活動指針にカートでの活躍はもちろんだが、TGR-DCレーシングスクールの受講、スカラシップ獲得を目指すとしている。このプログラム自体が、4輪レースへ優秀なドライバーを送り込むことを大きな柱としているのだ。
そこで、発足当初からジュニアフォーミュラを使ったフォーミュラトレーニングやシミュレータートレーニングは必須メニューとして行われてきた。中でもフォーミュラトレーニングはコースを貸し切りにして行うことが多く、初心者でも存分にトレーニングできるメニューが用意されてきた。
当初は、夏のスクールに合わせて初夏などに行われていたフォーミュラトレーニングだったが、公式トレーニング後に自主練習の期間なども考慮し年々開催時期が早まり、今年はシーズン始動直後の3月25〜26日に開催となった。 また、これまでは茂原ツインサーキット東コースを会場とすることが多かったが、今回は本番のTGR-DCレーシングスクールの会場でもある富士スピードウェイのショートコースを2日間貸し切っての開催となった。
参加するのは、今季のFormula Blue正規メンバーの8人。スクールカーはスーパーFJが3台、昨年までのFIA-F4マシンだったF110が1台の計4台で、これを8人でシェアすることとなる。基本的には、昨年からの継続となる2名がF110を使用し、ルーキーの6人はまずフォーミュラに慣れるところからとなるため、S-FJマシンを使用することとしている。ドライバーは、主に体格を見て組み合わせを決め、乗り替わりでシート変更などの手間が極力かからないよう、その分走行時間を長くできるよう配慮される。
講師を務めるのは、Formula BlueアンバサダーでTGR-DCレーシングスクール校長も務める片岡龍也、ヤマハワークスチームの監督を務める高木虎之介の両氏に加え、ゲストアドバイザーとして、参加者と年齢的にも近く現役でフォーミュラなどで活躍する若手ドライバーとして野中誠太、清水英志郎の二人も参加した。
講習メニューはシート合わせ、先導走行、シフト操作、ブレーキング操作などの基礎練習をみっちりと行い、その後はフリー走行を重ねていく。合間合間にミーティング時間を設け、全体の課題、個別課題などを洗い出し、テーマを見つけ取り組むを繰り返していく。 今回は広い富士ショートコースを使用していたため、ブレーキングの練習なども効果的に行うことができたようだ。また、やはり本番と同じコースで指導を受けながら練習できることは、大きなアドバンテージとなることだろう。
カートと4輪レースとの架け橋となっているFormula Blue。今回のような充実した環境下でのトレーニングは、プライベートではまず難しく、こうした環境を与えられることからも、このプログラムを目指す価値はあると考えられる。今後は、カートレースで好成績を目指しながら、夏のTGR-DC受講、そしてスカラシップ獲得を目指し向上を続けることとなる。