『カート競技の普及と振興を通じて、健全なモータースポーツ文化の未来への継承を目指す』とした日本カート協会（JKA）の設立記者会見が、6月24日に東京お台場のシティサーキット東京ベイで行われた。当日は、代表理事に就任したレーシングドライバーの山本尚貴、社員代表としてTOM'Sカートクラブ兼JAFカート部会長の谷本勲氏が出席し、設立経緯や活動方針などについて語った。

この協会では、「ガバナンス」「普及」「育成」を柱に掲げ、公共性を持つ非営利型法人としての運営、オールカート業界による連携基盤の構築、オールモータースポーツによる人材育成支援、公的機関との連携によるスポーツとしての社会的認知獲得などをビジョンとして立てている。

ガバナンス面では、これまでそれぞれが独自の活動を行っていた日本カートランド協会（JKLA）、一般社団法人SLカートスポーツ機構（SLO）、全日本カート選手権OK部門プロモーターGPR、そしてTOM'Sカートクラブがそれぞれ均等出資する形で社団法人を設立。それぞれの団体から理事を輩出し、垣根を超えた形での活動を行っていく。理事として谷本氏、夏苅隆裕氏（SLO代表理事）、茂田和也氏（JKLA会長）、松浦佑亮氏（GPRを代表）の各氏が名を連ねている。そのうえで、ドライバーの発掘や育成、挑戦、普及、信頼、連携といったキーワードを掲げていく。

育成と支援では年に1回以上の有望選手発掘合宿、レース現場でのスカウティング、各地域での育成ミニ合宿などを構想している。発掘では、早くも今年8月に夏合宿を実施する予定だ。

育成面でも、これまでのカートからフォーミュラへといった流れだけではなく、競技力と社会的適応力を育む、包括的な育成支援を目指している。

普及面では、カートをより身近に誰もが楽しめるスポーツへとし、地域連携にる参加機会の創出、初心者向け継続プログラムの整備、情報発信の強化などに取り組んでいく。これらは、生涯スポーツとしてカートを楽しめるように、といった面も考慮されている。山本代表理事は「自分自身もカート時代に人間形成ができたと言って過言ではない」というように、単にドライビング技術のみではない育成を目指していく方針だ。

カートに関わる様々な要素を包括的にまとめる組織としての活動が期待される日本カート協会。今後の活動も注視していきたい。

なお、8月にAPGで開催予定の夏合宿についてはをこちらの記事を参照のこと。