■開催日:11月24日 ■開催地:シティサーキット東京ベイ ■天候:晴れ Photo&Report:本誌・藤原浩
全日本カート選手権で惟一最終戦を終えていなかったEV部門の最終ラウンドが、11月24日に東京お台場のシティサーキット東京ベイで開催された。
今季のEV部門も今回で決着。タイトル争いには5人の選手が残り、今季の全日本王座最後の一席をかけて熱戦が展開された。
レースウィークは週末にかけ急激に気温がさがり、また北風が冷たいコンディションとはなったが、決勝日は風も穏やかとなり、秋晴れのもとでレースが展開された。
●EV部門
イゴール・フラガが逆転で2連勝!
タイトルは小高一斗が初の獲得!!
今大会を迎える時点で、タイトル争いに残っているのは、ランキングトップの小高一斗(66P)を筆頭に前回優勝のイゴール・フラガ(60P)、三村壮太郎(60P)、中井陽斗(60P)、鈴木悠太(60P)の5人。今回も参加12人のため、ポイントが加算されるのは上位6名のみ。つまり、決勝Aへ進出しないと、その時点でタイトル争いからはほぼ脱落ということになる。それだけに、日曜朝の1周TTが重要視された。
ランキングトップの小高は、このなかで惟一、自力でのタイトル決定の可能性をもち、自身が3位以上に入れば自動的にチャンピオンになる有利な状況。EV部門初年度に取り逃したタイトルを獲得できるか。その他の選手は、上位でフィニッシュしながらも小高の順位次第といったところだ。
自由参加だった前日練習では、イゴール・フラガが好調で、最終セッションで23秒台に入れトップタイムを記録。2番手の小高も23秒台までのばし、この二人だけが24秒の壁を破るという状況だった。
日曜日、朝一番の公式練習では小高、イゴール・フラガの順で1−2とやはりこの二人を軸に今大会が動きそうな気配が漂う。 注目のタイムトライアル。10番目に登場した小高は、それまでのタイムをコンマ2秒上回り、この時点でトップへと躍り出る。その二人あと、最終出走となったイゴール・フラガは0.063秒届かずに2番手タイムとなった。タイトル争いに加わっている5人は、すべてトップ6内に入り、決勝A進出ラインを維持したままTTを終える。
TT奇数順位がA組、偶数順位がB組に分けられる予選ヒート。ここで3位以内に入らなければ決勝Aへは進出できない。 先に行われたA組では、順当にスタートを決めた小高が後続を大きく引き離し、独走でトップチェッカー。三村、金本と続き決勝Aへと進出する。B組ではイゴール・フラガがトップチェッカー、2番手には中井があがりそのままチェッカーを受けるが、カウルペナルティがあり4位まで降格。決勝A進出を逃し、この時点で中井はタイトル争いから脱落した。繰り上がりの2位に鈴木、3位に佐藤蓮となった。
迎えた決勝は20周。スターティンググリッドは小高、イゴール・フラガ、三村、鈴木とタイトル争いの4人が2列目までに揃い、まさに最後の直接対決で雌雄を決する事となる。
スタートでホールショットを奪ったのは小高だったが、2コーナー進入から3コーナーにかけて三村がトップを奪いイゴール・フラガも2番手に浮上。小高は3番手までドロップする。
序盤は三村が逃げリードを広げていくが、中盤以降イゴール・フラガが追いつき、さらに小高も接近してくる。終盤、完全に追いついたイゴール・フラガが三村をかわしトップに上がると、すかさず小高も2番手に浮上。その後はイゴール・フラガが逃げ切り、2連勝でシーズンを締めくくり、2位チェッカーの小高が自身初となる全日本選手権チャンピオンを獲得した (レース直後のインタビューは こちら )。
CCTBをメイン会場に展開されてきた3年目のEV部門。来季は、CCTB、SUGOと会場は今年と同じながら5大会10レース開催の予定と、今季よりレース数が大幅に増える方向となっている。
今季はチーム制の導入、ドラフトによる参加選手の決定などユニークな取り組みが注目され、このシリーズへの関心も高まっている。会場には、普段のカートレースではあまり見かけない4輪レースファンらも多く訪れるようになり、選手たちのモチベーション向上にも繋がっているだろう。
来る2025シーズン、今度はどんな仕掛けが見られるのか、期待しながら注視していきたい。
●第5戦(12台) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
No. | Driver | Team | Frame | Engine | Tyre | T.T. | Q.H. | |
50 | イゴール・フラガ | ANEST IWATA EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.518 | 2 | A1 |
3 | 小高一斗 | REALIZE KONDO EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.455 | 1 | B1 |
26 | 三村壮太郎 | ANEST IWATA EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.662 | 3 | A2 |
8 | 佐藤 蓮 | CVSTOS×AGURI EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.926 | 8 | B3 |
36 | 金本きれい | TOM'S EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.901 | 7 | A3 |
11 | 鈴木悠太 | KNC EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.816 | 4 | B2 |
4 | 中井陽斗 | REALIZE KONDO EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.876 | 6 | B4 |
37 | 高口大将 | TOM'S EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 25.300 | 12 | B5 |
74 | 白石いつも | HIGHSPEED Etoile Racing EV Kart team | CRG | TOM'S | DL | 25.086 | 9 | A6 |
73 | 奥田もも | HIGHSPEED Etoile Racing EV Kart team | CRG | TOM'S | DL | 25.255 | 10 | B6 |
14 | 鈴木恵武 | KNC EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.853 | 5 | A4 |
●第5戦(12台) | ||||||||
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No. | Driver | Team | Frame | Engine | Tyre | T.T. | Q.H. | |
50 | イゴール・フラガ | ANEST IWATA EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.518 | 2 | A1 |
3 | 小高一斗 | REALIZE KONDO EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.455 | 1 | B1 |
26 | 三村壮太郎 | ANEST IWATA EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.662 | 3 | A2 |
8 | 佐藤 蓮 | CVSTOS×AGURI EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.926 | 8 | B3 |
36 | 金本きれい | TOM'S EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.901 | 7 | A3 |
11 | 鈴木悠太 | KNC EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.816 | 4 | B2 |
4 | 中井陽斗 | REALIZE KONDO EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.876 | 6 | B4 |
37 | 高口大将 | TOM'S EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 25.300 | 12 | B5 |
74 | 白石いつも | HIGHSPEED Etoile Racing EV Kart team | CRG | TOM'S | DL | 25.086 | 9 | A6 |
73 | 奥田もも | HIGHSPEED Etoile Racing EV Kart team | CRG | TOM'S | DL | 25.255 | 10 | B6 |
14 | 鈴木恵武 | KNC EV Kart Racing Team | CRG | TOM'S | DL | 24.853 | 5 | A4 |